答えはシンプル。ポリヴェーガル理論から見た治癒の鍵は腹側迷走神経の活性化
こんにちは。
美爽律整体アンリーシュ院長 澄田です。
慢性痛や不定愁訴など
長期的な体調不良は、
副交感神経系の一部である
背側迷走神経系の働きが
関係していることが
分かってきました。
背側迷走神経系が優位になると
体は防衛的な状態となり
外部からの刺激に対して
閉鎖的になります。
そのため、
セラピーや治療を受けても
体が適切に反応できず
効果が現れにくい状態に
なってしまいます。
回復に向かうためには
もう一つの副交感神経系である
腹側迷走神経系の活性化が鍵です。
神経系には
単純な「オフスイッチ」は存在しません。
ある神経系の活動が低下する際には
入れ替わるように別の神経系が活性化して
制御の「空白」ができないように
バランスが保たれています。
そのため、
背側迷走神経系を
オフにするというよりは
腹側迷走神経系を活性化する
アプローチが治療の鍵となります。
腹側迷走神経系は
「社会的つながり」を担う
自律神経です。
人との温かい交流や
安心感を感じる際に活性化され
円滑なコミュニケーションを
可能にします。
この神経系が活性化している状態では
他者からのサポートを
自然に受け入れることができ
心身の回復が促進されます。
なので、
心理系、施術系にかかわらず
対人支援全般において
介入を始める前に
まずクライアントさんの
神経系を受容的な状態に
整えることが最も重要です。
腹側迷走神経系は
主に顔面、喉、心臓、肺などの
機能を制御しています。
これらは、私たちが
日常的なコミュニケーションで
使う器官です。
例えば、以下のような行動が
腹側迷走神経系の活性化に効果的です。
・目の動き(ウィンクやキョロキョロ)
・声を使う活動(歌、ハミング)
・口や舌の動き(口笛)
・呼吸の変化(深呼吸、ため息、あくび)
・社会的交流(笑顔、会話)
・感覚を楽しむ(香りを楽しむ、食事を味わう)
つまり、私たちが
五感を通して経験する
ささやかな楽しみを通して
健全に生きることができるんです。
TFTやタッピングセラピーという
心理療法があります。
ストレスケアの手順 | 日本TFT協会www.jatft.org
体のツボをタッピングして
心理問題を解消していく
テクニックなのですが
その中に
眼球を動かしたりハミングをしたり
というパートがあります。
習ったときは
「そんなことに意味あるのか?」と
懐疑的でしたが
今思えばそれは
腹側迷走神経系にスイッチを
入れることだったんですね。
ポリべーガル理論が出るもっと前から
経験的に、
そういったことが心身にいいと
わかっていたのでしょう。
ただし、重要な注意点があります。
これらの活動を
「しなければならない」という
義務感で行うのは逆効果ということ。
健康のための「義務」や「ノルマ」
として捉えてしまうと、
新たなストレス要因となり
精神的な負担が増えてしまいます。
これらの活動は
あくまでも自然な楽しみとして、
心地よく感じられるように
行うことが大切です。
リラックスした気持ちで
自分のペースで取り入れていくことを
お勧めします。



