治癒の鍵は自律神経:神経系が受け取り拒否状態ではどんなアプローチも届かない
こんにちは。
美爽律整体アンリーシュ院長 澄田です。
ポリヴェーガル理論
聞いたことがありますか?
これまで自律神経は
交感神経
副交感神経
この二つで語られてきました。
ポリヴェーガル理論では
交感神経
背側迷走神経
腹側迷走神経
という三つで語られます。
交感神経というのは
身体の機能を
活発化させる役割を担っています。
日中に優位な状態になりやすく
ストレスや興奮状態になると
活発化します。
一方で
安全や安心を感じている状態
リラックスしている状態では
副交感神経の一部である
腹側迷走神経系が働きます。
これは
社会性(群れ)を維持するための神経で
笑顔や豊かな表情を作ったり
相手に気持ちを伝える働きがあります。
ストレスが持続的にかかった状態では
交感神経優位の状態が長く続きます。
そのうち
自分で頑張ってもどうにもならないような
極限状態に陥いると
自律神経は背側迷走神経系に
切り替わります。
背側迷走神経とは
「凍りつき反応」を起こします。
小動物などがびっくりして
死んだふりをする、あの反応です。
私たちも
ショックな場面に遭遇した時に
逃げるという反応ができず
とっさに声が出ない
とっさに動けない
意識が遠のく
というような反応を
することがありますね。
行動を起こす(闘争・逃走)
迎合する(腹側迷走神経)
閉ざす(背側迷走神経)
このようにして自分の身を守る、
自律神経のはたらきがあるのです。
ここで問題となるのは
背側迷走神経系。
強いストレスや
ショックを受けできごと、
トラウマになるようなできごと
に遭うと
その時の反応が神経系に刻まれてしまい
通常の状態に戻れなくなっているのです。
トラウマになるほどの体験でなくても
持続的なストレスや抑圧によって
現代人の多くが
「凍りつき反応」による
無気力・抑うつ・引きこもり状態にあると
言われています。
本来、背側迷走神経モードは
自分の安全なスペースにこもって
誰の目も気にせず
好きなことに耽ることで
トレスダメージが回復し
再び社会の中へ
戻っていく活力を養う、
という場面で有効なのですが
ストレスが強いために
背側迷走神経優位から抜け出せず
通常モードへの切り替えが
難しくなっていることがあるのです。
実は、この状態にあると
本人がどれだけ回復を願って
セラピーや療法を受けても
思ったような効果が得られない
という結果が出ています。
神経系がフリーズモードに入っていて
新しい刺激を受け入れる
余地がないからです。
これは神経系の反応のせいであって
本人に治る意思がないとか
取り組む姿勢が見られないとか
いうことではありません。
この状態から回復していくには
体の中でこういった状態が起きている
ということを知ること
回復を急がず、焦らず
着実に階段を登っていく
心がまえが必要になります。



